変わる未来〜詩音〜


綿流しの夜。鬼婆と魅音の会話を聞いてしまった私の前に、
あのけじめの時と同じ恐い瞳の魅音が現れた。
「………………っ、」
私はスタンガンを手に魅音を見つめ返す。
恐がるな、私だって魅音だ。勇気を出せ。
悟史くんについて何かわかるかもしれないんだから――!
「――魅音。何があったのか聞いてもいい?それとも“詩音”には話せないこと?」
「……わかった、話すよ。部屋で待ってて。婆っちゃとの話が終わったらすぐ行くから。」
一年前のことを思い出して怖かったけど、私は勇気を振り絞った。
悟史くんがいたらきっと頭を撫でてくれたはず。
魅音はちょっと困ったような顔をして部屋で待つよう促した。
いつもの魅音だ。……よかった。
またけじめなんてごめんだから、私はおとなしく部屋に戻った。

「――よかった。詩音の瞳がすごく恐かったから、怒ってるのかと思ったよ。」
「…………え?」
私、が――――?
私が魅音の瞳を恐れたように、私の瞳も、あんな風になっていたの……?
魅音も私を恐れたの……?
「魅音。……私たち、やっぱり双子なんですね。さっきのお姉も、すごく恐かったんですよ?」
「え?そ、そうなの……?」
慌てて顔を手でおおう姿は、いつもの本当の魅音。
「……お姉、これを預かっててください。」
ことん。
可愛いストラップのついたスタンガンを、そっと差し出す。
「……これ、葛西さんがあんたにって与えた護身用じゃん。そんな大事なもの――」
「いいんです。……お姉はもう知ってますよね?私と圭ちゃんとで祭具殿に侵入したのは。」
「うん。……知ってる。」
やっぱりか……情報早いなぁ。
「一緒にいた富竹さんと鷹野さんは……祟りにあったんですよね?」
「…………多分。」
「圭ちゃんは、ことの重大さを知りません。無理やり誘った私が悪いんです。
 正直私も、こんなにいけないことだと思っていませんでした。
 ……罪を、償います。爪三本で済むことじゃないでしょうけど、
 圭ちゃんの分も私が受けます。だからどうか――」
「…………詩音。」
「私は武器を持ってちゃいけないんです。私の中の鬼は去年魅音が鎮めてくれたけど、
 またどんなきっかけで蘇ってくるかわからないから。……お願いします。」
「詩音…………。」
「正直、悔しかった。魅音には圭ちゃんがいるのに、悟史くんはここにいないんだもの。
 だからちょっと困らせてやりたかった。魅音だけ幸せにしたくなかった。
 こんな醜い考えで圭ちゃんを振り回した私が悪かったの。
 恐いよ。けじめなんてもう嫌だよ。……でも、罰は受けなくちゃいけないから。」
「しおん……っ!」
抱きついてきた魅音のぬくもりが、嬉しかった。
とてもあたたかくて、やさしくて。
たくさん勇気をもらえた。

「明日朝イチで鬼婆に謝りにいくことにします。……あ!でも今度は魅音まで一緒に
 同じけじめを受けることはないんですからね?あんな痛みは私一人で充分です。」
「……私にも責任はあるから。それに、」
魅音が私の左手をとった。私も魅音の左手に触れる。

「――私たちは、大切な魂の片割れ同士なんだから。」






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