「特効薬の副効用。」


あれ以来、程よく肩の力の抜けたお姉はことあるごとにそれを手に取り、
光にかざしてはその揺らめく輝きを眺めていた。
「…本当に綺麗ですねー。」
「うん。詩音も一緒に見ようよ。」
「私の分はないんですか?」
「ふぇ?」
「ふぇ?じゃなくて。今回の一番の功労者は私ですよ?
 私がこの計画を立てなかったら、お姉だってこんなにのほほんとしてられなかったんですよ?
 私にもご褒美の一つや二つあってしかるべきだとは思いませんかお姉?」
「あ……うん。あのね、今回のこと、すごく感謝してるんだ。本当だよ。
 詩音が背中を押してくれたから私も少しだけ頑張れた。……ありがとう。」
しおらしくお礼を言うお姉はそれはそれで可愛かったのだけど、
それがあまりに可愛かっただけに、もう少しからかってみたくなった。
「だいたい私一人だけないなんておかしくないですかぁ?
 そりゃ私は雛見沢に住んでるわけじゃないですから頻繁には通えませんけど、
 でも私だって仲間です。沙都子も圭ちゃんも梨花ちゃまもレナさんも私には大切な存在です。
 そりゃお姉やみんながそう思ってくれてるかどうかはわかりませんけど。」
「詩音……っ、」
ありゃ。ちょっとやり過ぎちゃったかな…。
「――――お、お姉?」
すっとお姉の手が伸び、私の視界が緑色に覆われる。
「え、……あれ?…え?」
「…………詩音。」
困ったような優しい顔で、それを私に差し出して。
まさかお姉、これを私に……?
「ちょっと待ってお姉っ!違うよ、違うの……!」
「………………。」
ただ黙って私を見つめて、私がそれを受け取るのを待っている。
違う、私はそんなこと望んでない…!
ちょっと羨ましかっただけで、魅音の幸せを奪う気なんて…っ。
「嫌だよ魅音っ、私はそんなの嫌…っ!ごめんね魅音、ごめん…っ!」
「…………ぷっ。」
「…………ふぇ?」
お姉の口元が緩んだ。……あ、まさかっ!?
「……お、お姉ぇっ!?」
「さすがにからかいが過ぎたから、ほんのちょっぴりお返し。……くっくっ!」
「うーーー……。」
さっきのしおらしさはどこへやら、すっかり部長モードだ。
「まさかお姉に逆襲されるとは……今度三倍にしてお返しすることにします。」
私は心のノートに深く刻み込んだ。
「あはは、いつでも受けてたとうじゃないの。……ねえ詩音。」
「……なんですか?」
ふたたびお姉の手が伸び、私の視界はまたも緑色。
「これは私と詩音のものだよ。私たちはひとつの魂が分かれて二人になったんだから。」
「お姉……。あはは、今日はお姉に一本取られてばかりですね☆」
「「……ありがとう。」」

私とお姉の今日この日の思い出も、この中に。








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