秘密と約束。


「――え、えーと、圭ちゃん……全部脱がなくてもいいよね?」
「――――――ぁあ?」
ご両親が出張中の圭ちゃんの部屋で。
布団の上に組み敷かれながら、私は真っ赤な顔で切り出した。
「――えと、ほら!圭ちゃん前に言ってたじゃん!全脱ぎは萌えないって!
 衣服を残してこそ萌えるんだって……!」
「…………魅音。」
――――う。そんな真剣な顔で見つめないでよ……っ。
おじさんだって、見せられる身体ならすべて見せたい。
邪魔な布に遮られることなく、素肌で触れ合いたい。
だけど――――。

「魅音………。」
「んむ……っ、」
圭ちゃんの顔が近付き、そして唇が重なった。
暖かくて、しっとりとしてて、呼吸ができなくなるくらいドキドキして。
だけどとても幸せで満たされる。
押し倒されるのはさすがに初めてだけど、私と圭ちゃんにとっては
すでに馴染んで欠かせなくなった行為――。

「――落ち着いたか?」
「……う、うん……。」
「あのな魅音。変な言い訳なんてしなくていいぞ。
 事情は知らないけど、背中を見せたくないのはわかってるから。」
「――――――へ?」
なんで?どうして?おじさんそんなこと一言だって言ってないよ?
そう顔に出てしまったのだろう、圭ちゃんは優しく頭を撫でて答えてくれた。
「前から、さ。何となくそんな感じはしてたんだ。
 罰ゲームで水着になった時とか、背中を見せないようにしてただろ?」
「あ…………。」
気付かれちゃったんだ……。
気付いててくれたんだ……。
あはは、おかしいな。
恥ずかしいことを知られていたのに、それがなぜか嬉しくて。
「誰だって、見せたくない部分や知られたくないことはあると思う。
 ――俺にだって、それはある。」
「圭ちゃん、も……?」
なんだろう。圭ちゃんも背中に何かあるのかな。
それとも都会に恋人でもいたのかな。
……あー、ダメダメっ!「知られたくない」って言ってるじゃんっ!
「多分魅音は、知りたいけど追求しちゃいけないって思ってるよな。
 俺もそうだから、よくわかるよ。」
……圭ちゃん、こういう時だけ鋭いなあ。
「――相手を知りたい、でも嫌われたくない、ずっと好きでいたい、
 そんな気持ちから生まれた感情だから、悪いとは思わないよ。
 たとえば俺が雛見沢の歴史を知ってもここを好きでいるように、
 魅音の秘密を知ったからって、嫌いになんてならないと思う。
 魅音だって、俺に秘密があるからって、俺を嫌いにはならないだろう?」
「…………うん。」
圭ちゃん、大人だなあ。おじさん敵わないや。
……でもやっぱり、秘密はよくないよね……。
圭ちゃんだって、実際この背中を見たら驚くよね、怖がるよね……。
「…………魅音?」
「………………。」
「――それでも気になるんなら……そうだな、こうしよう!」
「へ…………?」
「俺と魅音がじーさんばーさんになったら、いちにのさんで。
 俺は過去を話して、魅音は背中を見せる。――それまでのお楽しみだ!」
 ………………!
「あはは……それいいね、そうしよう!」
「いいアイディアだろ?決まりだな!」
私は圭ちゃんの首に両手をまわす。
唇が再び重なる直前、満面の笑みで囁いた。

「――今の、プロポーズだよね?しかと耳にしたからね圭ちゃんっ。」
真っ赤な顔で硬直する圭ちゃんに、私は自分から唇を重ねた――。







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