封印。

夕暮れの教室。
知恵先生に頼まれてた用事を終えて戻ってきた私を待っていたのは、
誰もいない教室で机につっぷして眠ってる圭ちゃんだった。
部活休みにするから帰っていいよって言ったのに…。
音を立てないように気をつけながら近くの椅子に座る。
夕日に照らされた圭ちゃんの髪の毛が光って、綺麗……。
そっと手を伸ばし、撫でようとした指先が目に入る。
――いびつな爪先が、一緒に照らされて存在を主張していた。
――お姉………。
きゅうっと、胸が締め付けられる。
お姉があんなに苦しんで哀しんで辛い思いをしたのに、
私だけ幸せで、いいの――?
圭ちゃんは悟史とは違う。それはわかってる。でも――。
私が圭ちゃんを好きになったら、ひょっとしたら、また、悟史みたいに……。

――いやだ。

圭ちゃんの髪に優しく触れたかった。
よく悟史が沙都子に、梨花がみんなにしていたように、撫でてあげたかった。

――でも。
圭ちゃんには、ずっと、ずうっと、ここにいて欲しいから。
親友でもいい。「男同士」でもいい。
そんな関係しか築けなくても、圭ちゃんと、みんなと、幸せに過ごせれば――。

「け――――いちゃんっ!!」
わしゃっ!
髪の毛をくしゃくしゃにかき回す。
がさつな「魅音」には、これが精一杯。
「うわっ!……なんだ、魅音か。」
「なーにぃ圭ちゃん。誰か他の女の子に優しく起こして欲しかったぁ?
それは残念残念、くっくっ!――まあ、おじさんに起こされるのも新鮮でしょ?」
「ったく、おめーは…。」
「――ありがと。」
「へ?」
「待っててくれたんでしょ?ありがと。…一緒に帰ろっか。」
「――ああ、そうだな。」
「明日は部活やるからね、覚悟しなよ圭ちゃん。」
「おう、望むところよっ!」
――うん、私たちはこれでいい。
私の中の切ない気持ちは心の奥底に封じ込めよう。
忘れてしまいそうになったら、この指先を見よう。

この爪は、その封印。








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