封印LOVE。


パカン。

間抜けな音が響き、私の四肢がびくんと跳ねた。
そしてそのまま、糸の切れた操り人形のようにだらりと動かなくなった。

私は物体となった「園崎魅音」をただ見下ろす。
詩音。レナ。沙都子。みんなあっけなく殺されてゆく。
鷹野さんのことだ。梨花ちゃんだけ生きたまま連れて行くのは、きっと――。

圭ちゃん、ごめん。
みんなを守るどころか、情けない死に様を見せ付けちゃったよ。
部長なのに、年上なのに、――ごめん。



――いつ見た夢だったろう。
夢の中、私は悔やんでいた。泣いていた。
自分の中の「女の子」を開放できなかったから、
だから圭ちゃんに女の子として見てもらえなくて。

『……………………魅音じゃない私で、もう一回やり直したい。』

泣きながら目が覚めて、それで私は決心した。
あんな哀しい思いはしたくなかったから、だから――。

圭ちゃんにお人形をもらえた。
みんなに冷やかされたのは恥ずかしかったけれど、
なぜだろう。まるで何十年も求めていたものをやっと手に入れられたような、
そんな安心感が私を満たしてゆく。
気負わなくていい。私は一人の女の子なんだ。
圭ちゃんに寄りかかっても誰も批難しない。
とても幸せだった。
困難はあったけど、無事沙都子も救えた。
これからもずうっと、幸せでいられるんだ――。



――でも、それだけじゃダメだった。
「女の子」の私じゃ、圭ちゃんを守れない。圭ちゃんの力になれない。
私が強くさえあれば、お人形がもらえなくたって大丈夫なはずだった。
お人形がもらえなくて、圭ちゃんに女の子と思ってもらえなくても、
圭ちゃんと対等に渡り合える、背中をお互い預けられる、そんな存在でいられた。

もし「次」があるのなら。やり直すことができるなら。
守ってもらうだけの女の子じゃない、本当に強い園崎魅音になりたい。
圭ちゃんに生きていて欲しいから。
ずっと幸せに笑っていて欲しいから。
だから「女の子」はいらない。
「親友」でいい。「男同士」でいい。
だから、どうか――!




「えッ?!?!くれるの?!レナに?!ありがと〜〜〜!!!!!」
「保身のためだよ。…レナにあげないと夜道が怖い。」
圭ちゃんが、お人形をレナに渡した。レナは大喜びではしゃいでる。
うんうん、微笑ましいねえ!
「――――――――魅ぃ。」
梨花ちゃんが腰に巻いた上着をくいくいと引っ張り、不安げに私を見上げる。
「――わかってる。大丈夫だよ梨花ちゃん。」
「………………みぃ?」
「詩音に情けなく泣きついたりなんかしない。園崎魅音は強いんだから。」
「………………。」
「圭ちゃんからはもうもらってるから。だからおじさんは大丈夫だから。」
伝わるかどうかはわからないけど、自分でも何を言いたいのかよくわからなかったけど、
でもね、本当におじさんは大丈夫なんだ。
あんなに欲しかったお人形なのに不思議だけど、もうもらってる気がしたんだ。
「………にぱ〜☆」
本当に嬉しそうに梨花ちゃんが笑う。わかってもらえたみたいでよかった…。
圭ちゃんもレナも、沙都子も笑ってる。
私は善郎おじさんに向かって親指をつき立て軽くウインクすると、
みんなに元気よく挨拶して自転車を走らせた――。


今度は大丈夫。圭ちゃんと対等に渡り合える園崎魅音になれる。
だから――「女の子」は封印。







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