紙の上の恋人。


今年の祟りは、私とジロウさん。
――え?他にもっと祟られるべき人間がいるだろうって?
……そうかもしれないわね。
私はともかく、別にジロウさんでなきゃいけないわけはない。
でも、もう決めたの。最初から決めてたの。
だって、あの人はきっと私についてきてはくれないから。
私とジロウさんが一緒に祟りに遭えば、少なくとも村人は
「恋人同士が祟りに巻き込まれた」と、そう思うでしょうね。
私が裏切ることも、ジロウさんが私を拒絶することもなく、「ふたり一緒」に――。
私に神としての喜びと達成感は得られても、
私を愛する人、私が愛した人はもういない。
だからせめて、記録の上だけでも。
鷹野三四は、富竹ジロウの恋人。
ちょっと趣味の悪い看護婦。
富竹ジロウは、鷹野三四の恋人。
売れないカメラマン。それ以外の何者でもない。


ただそれだけ……。





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